その日、梓川咲太は野生のバニーガールに出会った。
みなさんこんにちは。ついにこの時がきました。僕が最も好きなライトノベル、青春ブタ野郎シリーズを紹介していく時です。
既に何回も読んでいる本作ですが、本当に神作品ですね。「青春ブタ野郎」という奇抜なタイトルからは想像もつかないシリアス&感動のストーリーです。
悪い意味で達観した雰囲気の主人公、咲太がバニーガール先輩こと麻衣さんとの関わりによってどう変わっていくのかに注目の第1巻。海と空に囲まれた神奈川県藤沢市を舞台に、不可思議な青春の物語が始まります!
ネタバレありで語って行きます。まだ1〜4巻はそこまで驚愕の展開ってのはないので、気にし過ぎなくても大丈夫だとは思いますが…。
全ての始まりは図書館
主人公、梓川咲太は高校2年生。ゴールデンウィークに行った図書館で野生のバニーガールに出逢います。彼女の名前は桜島麻衣。同じ高校(神奈川県立峰ヶ原高校)の先輩で、活動休止中の超有名な女優です。
そんな麻衣さんが奇抜な格好をしているのに、誰一人として気付く様子はなく…。この出逢いから、全てが始まったのです。
シリーズの鍵となる「思春期症候群」
そして休みが明け、学校の帰りで会った咲太と麻衣さん。学校の人などには認識されているようですが…。
人から見えなくなるという不可思議な現象、これは「思春期症候群」の一種だろうと言う咲太。この「思春期症候群」は、思春期のストレスなどが原因で超常現象が起こるという、単なる都市伝説だと考えられています。
そんな都市伝説をなぜ咲太は信じているのか。証拠を見せるため、咲太は麻衣さんを家に連れ込みます。言い方悪いけど笑。
ここら辺からシリアスな雰囲気が漂って来ます…
そして証拠は、妹のかえででした。かつて通っていた学校で虐めにあった時、まるで心の傷が体に表れているかのように傷ついてしまったのです。
今は傷は治っているものの、家からは出られないという状態が続いており、咲太と二人で暮らしています。
さらにその時、咲太の胸にも大きな傷ができてしまいます。咲太自身の身にも超常現象が起こっていたのです…。高校生が親から離れて暮らしているという設定はよくありますが、これは他にはないレベルの重い事情ですね…。
この「思春期症候群」との戦い(?)はシリーズを通してのテーマとなって行くので、これは超重要ポイントです!
芸能界復帰を決意する麻衣さんだが…。
咲太と話したことで、芸能界に復帰しようと決意した麻衣さん。忙しくなるから、その前にデートしようと咲太を誘います。
最初に読んだ時は、「これで思春期症候群は解決したのかな〜」という思いと、「まだこんなにページ残ってるけど…」という嫌な予感がありましたね。
※ここからはネタバレ注意です。
思春期症候群の恐ろしさを実感する展開
嫌な予感が的中してしまいます。
なんと麻衣さんは母親からも認識されなくなってしまい、ただ見えていないだけではなく、存在そのものが忘れられていることに気付きます。これは背筋が寒くなるようなシーンでした。
麻衣さんを知っている人を探して岐阜県の大垣までやって来た二人。結局ここまでのところ、麻衣さんを知っている人は見つけられませんでした…。
ここで、大垣で印象に残ったシーンについてです。
麻衣さんが「(私と二人で旅行的なことができて)光栄でしょ?」と強がって冗談っぽく言ったシーンなのですが、咲太の返事は真剣で「一生、忘れません」
普段は普通にセクハラ発言をしたりドMだったりとまさに「ブタ野郎」な咲太ですが、こういう時のカッコよさが半端ない!
先の方の巻を読んでから戻ってくると、これぞ咲太だな〜と思うはずです!
原因は学校にあり
咲太の友人、国見と双葉は麻衣さんのことを覚えており、どうやら原因は学校にあるのではと気付く二人。
確かに学校での麻衣さんは、完全に腫れ物扱いって感じで友達いないもんね…。
この「空気」が学校の外にも広がった結果がこの思春期症候群だったんでしょう。そして学校に着いた麻衣さんは、、、ついに峰ヶ原高校の人たちにも認識されなくなったことに気付きます。
とうとう双葉と咲太の二人しか残っていません…二人の共通点は前日に寝なかったこと。咲太は思春期症候群を解決するまで寝ないと決めますが…。
バニーガール先輩の夢
結局、麻衣さんに睡眠薬を飲まされて眠ってしまった咲太。全てを忘れてしまいます。こんな絶望展開ある?と思いました。
しかし、ほぼ無意識で答えを書いた違和感から、テスト中に奇跡的に麻衣さんを思い出した咲太!二人が共に過ごした、短くも濃い期間が麻衣さんを救います。
咲太は校庭の真ん中に立ち、「お前ら、よく聞けーっ!」「麻衣さん、好きだあー!」自分のことに関しては、空気に抗っても仕方がないと言って諦めていた咲太。麻衣さんを救うため、空気と戦い、そして勝利を収めます。
本当にこのカッコ良さこそ梓川咲太、この感動こそ青ブタやなーと思いますね。そんな咲太に対して双葉は「青春ブタ野郎だね」と言うのでした。
今回の量子力学:シュレーディンガーの猫
青ブタシリーズの大きな特徴は、思春期症候群に量子力学による説明が付けられるということですね。もちろん「量子」力学を人間レベルの大きさの物(者)に適用はできませんので、こじつけではありますが…。
記念すべき第1回は量子力学の根幹となる考え方(多分)である観測理論とシュレーディンガーの猫です。
実際に起こる現象で説明しますと、光ですね。
光は粒子性(つぶっぽい)と波動性(波っぽい)という2つの性質を持っていて、人が実験の過程を観測するかしないかで実験結果が変わるんですよね。この奇妙なことが観測理論です。
ま、かく言う僕もよく分かってませんが…。
ストーリーに当てはめると麻衣さんは咲太のお陰で学校中の人から観測され、思春期症候群を脱したという感じですね。
今後も量子力学の話は出てくるので、理系の人はテンションが上がるはずです。(まあ理論は難しくて理解できませんが笑)
ツンデレヒロイン麻衣さんが記憶より可愛い!
今回、久しぶりに読み返しましたが、記憶よりも麻衣さんが可愛く感じました笑。
個人的には今後登場するあのキャラが大好きなので、記憶が薄くなってたかも…。
ツンデレな性格が分かりますし、こんな人と仲良くなれたら楽しいだろうなーと思いますね。
いや、僕はMじゃないですけどね、多分。
ちなみにこの1巻にも今後の大きな伏線があります。それはまたその時に、って感じですけどね。
それはそれとして、なぜか同じ朝を繰り返している咲太はどうなるのでしょうか。果たしてこれはなんなのか、某作品のような「○に戻り」なのか?それではまた次回!