『チラムネ9巻』ネタバレ感想【望紅葉の終わりと始まり】

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始まる藤志高祭、それぞれの選択と結末は、、、?

著:裕夢, イラスト:raemz
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みなさんこんにちは。今回は『千歳くんはラムネ瓶のなか9』です。

まず表紙の七瀬が可愛すぎる!
前回の表紙と比べると憑き物が落ちたような、最終巻でメインヒロインになるような雰囲気があります。

今回で決着を迎える学祭編ですが、表紙の通り今回も七瀬の活躍が中心となります。前回の事件後、若干の気まずさを残しつつ日常に戻ることができた千歳と七瀬。流石はこの2人と言ったところでしょうか笑。

もちろん他のヒロインの活躍や、気になる紅葉についてもガッツリと描かれます。逆に相変わらず夕湖についてはそこまでで、それが逆にものすごい特別感を演出していました…。

それでは学祭編のラスト、ネタバレ注意です!紅葉との関係はどうなるのか、クラスでの演劇のラストに選ばれるのは夕湖か七瀬か、、、?

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あらすじとネタバレなしの感想

ついに開幕した藤志高祭。優空が活躍する吹部の演奏、みんなで練習した体育祭の応援団、そして結末の決まっていないクラス演劇。紅い秋が青に染まっていく3日間が始まる。

(チラムネを読んでいると、こういうカッコつけたあらすじを載せたくなります笑)

とうとう始まりました、7巻から始まった学園祭編、当日です!
内容としては文化祭と体育祭を合わせた感じで、合計3日間行われます。1度に全て行う分、期間が長くなっているわけですね。

完全に個人的な話ですが、自分の出身高校も文化祭と体育祭を近い時期に行い、まとめて⚪︎⚪︎高祭という名前だったので親近感が湧きます。(しかも ui kou saiという母音まで一緒!)

それはさておき、7巻から続いている学園祭編もとうとう決着を迎えます。そして、新登場の紅葉ちゃんについても大きなポイントとなりそうです、、、

3日間とも濃く描かれており、相変わらず充実の一冊となっていました!それではチラムネ9巻、後半はネタバレ注意です!

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1日目:嵐の前の静けさ、と思っていたのに吹く嵐

さあ始まりました学園祭。1日目は文化部などによるステージパフォーマンスを見る日となります。みなさんの出身高校との違いを見るのも結構楽しそうです。

初日に出番があるのは吹部の優空だけなので、事件は起きなさそうですね。

なんて、そう思っていた時期が俺にもありました、、、

ちなみに最初のパフォーマンスは先生たちのコスプレダンス、センターは担任の蔵センとバスケ部顧問の美咲ちゃんでした。この2人にも何かがありそうですね…。

千歳&海人&和希:主人公と友人が修羅場すぎる

学園祭1日目の朝。女子たちより先に到着した千歳は海人、和希、健太の男子組と会話します。

クラス演劇の結末はアドリブで、ヒロインとして夕湖か七瀬のどちらかを選ぶことになっています。アドリブなんだから決めてないと言う千歳でしたが……。海人と和希の2人は「自分なら一択」だと言います。
そう言えばそれぞれ夕湖と七瀬のことが好きでした。

いや、冷静に考えるとド修羅場すぎる笑。前の巻の後半について和希が知ったらどうなってしまうんだ。

特別な3日間の開幕を告げる、優空の演奏

さて、1日目のポイントは吹部の演奏、のラストにある優空のソロです!

最後の曲とソリスト紹介の部分で司会役の人が、「大切な人に届けたいと言って優空が提案した」と言ってしまいますwww

一体その幸せ者は誰なんだ、、? まあ、誰かさんに決まっていますよね。
七瀬からは肘鉄を食らい「あらごめんあそばせ、誰かさん?」夕湖からも「ちゃんと向き合ってね、誰かさん?」と言われます。

そしてソロパートでは、千歳だけに向けた演奏によって観客を虜にします。ここのシーンは本当に感動ものでしたね、普段は控えめなように見えて、ちゃんと情熱があります

まあぶっちゃけ一番嫁みたいだし当然かとは思いますが…。
千歳の生活の中に溶け込み、それが日常となっています。

もし千歳が他の誰かと付き合った場合、その日常がなくなるというのは正直他のヒロイン以上に大きな変化ですよ……。

そして、学園祭の1日目が終わった後すぐ千歳に声をかけます。しかも会場のエントランスで、目立つ位置で、、、見ていた人は「またお前かよ、、」と思ったことでしょう。

そして9巻の大きな特徴、それはヒロインたちのちょっとした本音が数行ずつ語られることです。
わずか数行ですが、深い表現の多いチラムネとしては珍しく、等身大の高校生の言葉が描かれています。まるでグラスに水を注いだ後に、少しだけ広がる波紋のようです(チラムネ風の表現)

まずは、優空。

「でもね、朔くん。
まわりからそんなふうに見られることが、いまだけは嫌じゃなかったです。」

2日目:千歳たちの”青”に飛び込む体育祭

さて、2日目は体育祭、千歳たちが練習を重ねていた応援団の本番です!

七瀬だけじゃない! 意外とかなり好みな陽

ここ最近は七瀬が目立ってしまい、影薄くなっている(すいません)陽。体育祭では千歳とコンビを組み、二人三脚に出場します。ライバルになりそうなのは七瀬と和樹の器用コンビ。片方が何も気にせず走り、もう片方がが合わせるというトンデモ作戦で勝利を掴みます!

すっかり忘れていましたが、千歳は運動神経も抜群だったのでした……。

もちろんこんな簡単勝ったわけではなく、熱いスポーツ小説が始まったかと錯覚してしまうほどでした。ぜひ読んでみて頂きたいシーンの1つです!

二人三脚の前に陽は最近の七瀬について千歳に話し、今回の勝負では千歳が陽の味方をすることになりました。このシーンもだいたい陽の視点で進みましたが、やはりモノローグが光ります。

あんたも信じてくれるんだって思っちゃうじゃん。
あんたも委ねてくれるんだって気づいちゃうじゃん。
あんたもこういう私が好きなのかもって期待しちゃうじゃん。
——なおさら負けられないって、燃えちゃうじゃん。

や、

水篠に寄り添っているナナを見て複雑な表情してたら腹立つなと思ったけど、なんか通じ合ってますみたいな涼しい笑みもそれはそれでむかついた。

最近は七瀬の視点が多かったこともあり、こういったダイレクトな感情がモノローグで見られるのは新鮮に感じます。

僕の推しは明日姉ですが、真逆のような陽が2番目に好きかもしれません。チラムネの特徴は詩的な表現や心情ですが、その中で少年漫画的な陽が印象に残りました! 最近影が薄かったとか言ってすいません…。

さらに、優空の場合にもあった数行の追加モノローグ、ここでもう一段階のギャップを見せてくれました。

てか、腋、触られた。どうしよ、ぜったい汗ばんでたよね。なんなら強引だったせいであいつの指先がちょっとーーーっ。

恥ず……

たぶん千歳も慌ててるはず、と思いつつ、ぶっちゃけ前回の七瀬事件を乗り越えた千歳は動じないような気も……。

紅葉と出会ったきっかけ:応援団のパフォーマンス

そして2日目の見せ場は応援団です!今さらですが体育祭では学校全体を5つの色に分け、学年混合で競い合うことになります。

そして千歳たちは青組です。いや、普通にずるいだろwと思いました。なんで1つだけ明らかな青春カラーが存在している???笑

さておき、応援団のパフォーマンスはものすごかったです。もしこのシーンがいつかアニメ化されるなら、制作会社がかなり重要になりそう。

途中で行われる模造の剣を使った殺陣があり、急にバトル漫画的な展開となりました。ここもかなりページ数を使い、千歳&紅葉と、七瀬&水篠が戦ったのですが……。

いつもの様子とは異なり、本気で千歳に切り掛かってくる水篠。「こういう場面で熱くなる性分だったか?」「今だけは守れる資格があるからね」という言葉を交わします。
うおおお、切ない、、、応援団などは関係なく真剣勝負を挑んでくる様子は先ほどの陽とも重なるように思えます。

さらにさらに、最後には七瀬と紅葉が二刀流で戦うシーンもありました笑。

現実ではそもそもできない&企画の時点で実行委員から止められること間違いなしですね、、、このシーンはぜひA-1 Picturesに作ってほしい、そんな戦いでした!

さらに最後はオリ曲をガールズバンドで披露するという展開まであり、とにかく盛り沢山でした。ここを読んでいる最中は『青と夏』の脳内再生余裕、という感じで、とにかく青春ど真ん中だったと思います。ちょうど青組ですし、てっきり『青と夏』を演奏するのかと笑

クラスの中心、みんなの前に立つ人たちの物語だということを思い出しました!

ここで披露した曲に関しても一悶着あったので、特に七瀬推しの人は読んで頂きたいです。そして学園祭は運命の3日目へ、、、

3日目:文化祭開幕、ついにクライマックス!

3日目はざっくり明日姉が可愛い。七瀬が可愛い。紅葉が可愛い?のが中心となります。まあポイントは紅葉ですね。ここまで引っかき回してきた少女の結末はいかに?

最推しの明日姉によるメイド喫茶???

明日姉のクラス企画、それはまさかの猫耳メイド喫茶でした。

????????

明日姉のあまりの可愛さにノックアウトされた千歳と読者。やっぱり実行委員が仕事してないだろ笑。

千歳は「こんなん猫耳にゃんにゃん幼馴染みの妹メイド喫茶やんけ」という感想を抱きます。いや、属性盛りすぎやんけ。

今度は正統派のラブコメみたいな展開が来ましたね…。
純文学の優空、官能小説の七瀬(本当すいません)、スポーツ漫画の陽、バトルものの体育祭、そしてラブコメの明日姉といった雰囲気です。

千歳のためにオムライスを作っているシーンでは上京した後に2人で仲良くしている様子などを想像しており、幸せな描写なはずなのに切なくて泣きそうです。そして最後のモノローグは

あーあ、これで本当に私の学校祭はお仕舞い。ひとりきりの、めでたし、めでたし

じゃないよ! 俺はまだ明日姉ルートの可能性を信じてます。それなら確定で大学生編があるし、最高でしょ。

完全に”あの夜”を乗り越えた七瀬

というわけで明日姉の可愛さから解放された千歳が向かった先は七瀬のところです。

うーーーん、やっぱこいつは…

お化け屋敷でいちゃつき、各クラスや部活の企画を見て回ります。そしてりんご飴を2人で分け合い、「こっそり裏表をひっくり返すりんご飴。きっと気づかれてる赤い間接キス。

いやいやいやいや、側から見てたら完全にカップルですよこれは。一体何が起こっている???

この調子だと間接じゃない方もしそうだと思いましたが、そんなこともなくクライマックスの体育館、紅葉のクラスの企画にやってきます。

終わりと始まり:紅葉の3日目

そして、紅葉の時が来ました。紅葉のクラスの企画は藤志高生の主張、屋上から色々叫ぶ的なやつです。この企画では屋上の代わりに体育館の舞台上から叫ぶこととなります。

企画最後の主張は紅葉によるもので、

……私、いまから先輩に告白しまーっす!!

まさかの公開告白!!!!!!!!
しかも夕湖を思い出すような流れ!

体育館の中心で愛を叫ぶ

ま、振られるんですけどね。これは読者も紅葉も想定内でしょう。

しかし、、、千歳の紅葉に対する感情は、想定より遥かに冷め切っていました。さらに冷めていく心の中で千歳は、明日姉と陽、優空との間であった事件の真相にも思い至ってしまいます。

俺のなかに、夕湖の告白を断ったときの胸を引き裂かれる哀しみや狂おしい痛みはない。
七瀬が一線を踏み越えようとしてきたときのやるせなさはない。
明日姉とさよならをする準備を始めたときの切実さはない。
陽に似たようなことを言われたときの動揺もない。
優空に見つけてもらった心はここにない。

これから意識してほしいと言った紅葉に対しては、

これからは、ない
——これ以上、心のなかに誰の居場所も作りたくはないんだ

と完全に心を閉ざしてしまいます。これは結構驚きですが、正直な感想を言わせてほしい。

これ、ちょっとスカッとした人いるでしょ笑

ヒロインたちとの事件の真相にもようやく気付いたわけですし。おそらく「千歳気付けよーーー」とやきもきしていた人も多いと思うので、全てを回収した気がしました。
流石にここまで拒否るとは思っていなかったので、その点に関しては純粋に驚きですが。

でも思い返すと、千歳が紅葉に関心を持っていないのは何回か描写されていました。特に今回では、学園祭1日目に会ったシーンを改めて読むとかなり重要なことが書いてあります。

秋晴れを上から無理やり貼り付けたような笑みが少しだけ気がかりではあったけど、それをめくってみたところであいにく傘の待ち合わせはない

傘の持ち合わせはないと断言しています、、、

ぶっちゃけやってることのヤバさでは前回の七瀬の方が上ですが、千歳は失望しませんでした。
むしろ自分たちの、自分の問題だと考え、迷わず傘を差し出して七瀬の心を救ったわけです。

そして壇上から降りた千歳は案の定(?)七瀬に呼び出されます笑

七瀬によってヒーローに戻る千歳

そして、8巻とは逆に七瀬から諭されます。ヒーローだろと言われる千歳。

前回のあとがきで8巻と9巻は上下巻構成だと書かれており、7巻も含めた上中下じゃないのかな?と思いました。おそらくこの、「8巻では千歳が、9巻では七瀬が互いのあるべき姿を示す」という展開を予定していたからなんですね。まさに前回の立場が入れ替わったようでした…。

仲間たちからも紅葉を追いかけろと言われた千歳は、美しく生きるヒーローとして、紅葉を追うことに。そして、、、「三代目屋上掃除係に任命する」と言って、屋上の鍵を渡します。現時点では明日姉と千歳しか持っていない鍵を渡し、特別な場所を紅葉に受け継ぎます!

紅葉のポジションはヒロインというより、仲のいい後輩、あるいは七瀬の悪友に収まりそうです。

個人的には”裏表があるキャラの裏が主人公にバレて吹っ切れたあと”が結構好きなので、今後も(ヒロインになってほしくはないけどw)紅葉にしかできない活躍があるといいなと感じました!

まあ恋愛面に関しては壇上でのモノローグが本音で、紅葉を追いかけたのも自身の美学に従ったからだとは思いますが……。

チラムネ9巻・感想まとめ

チラムネ9巻・感想まとめ
  • 各ヒロインとの充実のエピソード
  • 長く続いてきた紅葉との決着
  • 8巻とは逆に、七瀬によって自身の生き様を思い出す千歳

今回は7巻から続いた七瀬&紅葉編の決着となりました。そして、文化祭で披露した演劇で選ばれたのはもちろん七瀬。これは予想通りでしたが1つ言うなら、

主演女優賞として夕湖か七瀬を選ぶって話だったけど、劇見てないじゃん! 完全に自分の気持ちに従って選んでるやん! それに七瀬の涙は単に劇で選ばれた以上に喜んでるよね!?

ということです笑。前回の感想で、そんな簡単に割り切れないんじゃないの?という懸念を書いた気がしますが、その通りになりました笑

そして最後に、この学校祭はリアルに基づいていることにも触れておきます。チラムネの舞台となっている藤志高校は福井県立藤島高校がモデルとなっており、今回の学校祭も様々な点でこの学校に基づいています。

3日間の開催で1日目は福井のフェニックスプラザでやる、体育祭で学校全体を色を分けるというのまで一緒なのでびっくりです。

まあそれもそのはず、作者の母校だからですね。

あとはこれと関連して、時々出てくる”福井あるある”が本当にあるあるなのか気になります。
今回で言うと、千歳と明日姉の河川敷のように自分のお気に入りの場所を持っているという話が出て来ました。

他にも、明日姉と東京に行った時には同様の話が結構出て来ました。

これはマジであるあるなのか、有識者求む!

ということで、だいぶ長くなってしまいましたが今回はこの辺で。今回は七瀬以外のヒロインとの話もあり、次回活躍するのが誰なのか全く分かりません。果たしてどういう話になるのか、非常に楽しみです!

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