今回は飄々とした少年、ロウが大活躍! 重い過去と現在、これまで隠していた力が明らかに、、、

みなさんこんにちは。『ギルます』アニメ放送中! ですね。
今回はシリーズ4巻、『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います4』です!
この作品を初めて読んだのは2年以上前(1〜3巻の感想投稿日参照)で、ずっと続きが気になりつつ積んでいました。アニメ化をきっかけにようやく4巻を読みましたが、やっぱり面白い!
一見この⚪︎ばのようなコメディーかと思いきや、シリアスな展開やアクションシーン、ラブコメもあります。それは今回も変わらず、結構シリアスな話となります。
冒険者界の最強パーティー『白銀の剣』の魔法使い、ロウに関する秘密が一気に明かされ、以前からあった伏線がどんどん回収されました!最強の受付嬢アリナの強さもよく分かりますし、(1巻の頃から言っていますが)SAOを少し思い出すような話でした。
それではギルます4巻です!後半はネタバレ注意!
あらすじとネタバレなしの感想
4年に1度のビッグイベント「闘技大会」に向けて準備を進める冒険者たち。
残業のストレスによって優勝賞品を壊したアリナは、トップギルド「白銀の剣」と共に優勝を目指すことに。しかしその大会には、暗殺者集団、闇ギルドの元メンバーたちも参加していた、、、そして「白銀の剣」のロウの暗い秘密が明らかに!
今回は「闘技大会」というイベントがメインテーマとなりつつ、全体的に暗め?な展開となります。なんか毎回のことですが、死亡寸前まで追い込まれますし……。
さらにアリナのスキルも使えなくなるという絶望的な展開に。アリナの超人的な能力は神のスキルによるものなので、スキルが使えないアリナは本当にただの受付嬢です。
この世界の闇は結構深そうですし、今後シリーズが続いていく中で(と言いつつ、この記事を書いている既に8巻まで出ていますが…)さらにシリアスな展開や”本当の敵”みたいなのが出てくることにも期待ができそうです!
冒険者たちの闘技大会にアリナも出場?!
さて、闘技大会に向けて冒険者たちは準備を進めており、それは「白銀の剣」も例外ではありません。もっとも準備の先に見据えているのは闘技大会ではなく、魔神との戦いです。
複数人のスキルを組み合わせることによって威力などを大幅に強化する『複合スキル』をものにすることで、格上の魔神に対抗することを目指しています。
しかし、魔法使いロウの能力は自身での制御ができないため、屋外などの広い場所で暴走されるしかないという癖の強いものです。
リーダーのジェイドと組み合わせようと苦心しますが、なかなか上手くいかず……という感じです。

これは雰囲気の通り、ガッツリ伏線になっていました
そして、気になるのがアリナです。その正体が最強の『処刑人』とは言え、もちろん闘技大会に出るつもりなどありません。
まあ出るわけないよな…と思っていましたが、優勝商品を少し突っついただけで壊してしまうという大失態をやらかします笑。事件を公にさせないため、アリナは「白銀の剣」と共に参加して優勝を目指すことに。
賞品脆すぎない?と思いましたが、これは後輩のライラによるものでした。ライラの体には魔神核が埋め込まれており、作品でも最重要レベルのキャラなのは確定と思われます。
ライラはアリナの正体を知っており、アリナに魔神を倒してほしいと願っているようです。ライラの正体が明らかになる時が来たら、おそらくシリーズの大きな山場となることでしょう!
そして残業をこなしつつ闘技大会に出場、順調に勝ち上がるアリナたちでしたが……『闇ギルド』の急進派によって大会は崩壊してしまいます。
今回の目玉・闇ギルド
闇ギルドというのはめちゃくちゃ歴史の長い魔法使いの組織であり、アリナたちが使う”スキル”とは別の戦闘能力を持っています。スキルの存在によって日陰者となり、暗殺者家業によって稼いできた連中、SA○で言えばラフコフみたいなものです。
ロウはかつてこの組織に所属しており、なんなら今も闇ギルドのマスターからの依頼でギルドの裏切り者を処理しています。
要は、表のギルドで最強のパーティーに所属している人が裏のギルドの殺し屋だったというわけです。
流石にここは「そんな重い設定いきなり出てくるんか…!」と思いました。今回のストーリーは全体として闇ギルドの話が中心となっており、ロウの話も今回のラスボスも闇ギルドが鍵になっていました!
闇ギルドマスターと本当の敵
スキルという特殊能力の台頭によって地位を失い、アンダーグラウンドの住人となった闇ギルド。
しかしその名前に反して、闇ギルドのトップであるギルドマスターは普通にいい人でした。もちろんギルドの秘術を門外不出にすることには厳しく、そのことはロウの過去からも分かってくるのですが…。
一方で、闘技大会を荒らしている急進派はしっかり悪人です。スキルに対して自分たちの秘術が優れていることを誇示するため大会に出場し、なんと観客たちを襲い始めます。
自ら魔神化し、観客を襲う敵。ジェイドたちは必死で守ろうとしますが、魔神を前にその消耗は激しく、一瞬で窮地に立たされてしまいます。そんな中立ち上がったのが……ロウでした。
「ス、スキルを……室内で……使える……?」
制御不能だったはずのスキル、いや、魔法を簡単に制御し、これまで隠していた実力を発揮します!
本当の実力を発揮するロウ
これまで何回もピンチに陥り、それでも実力を隠し続けたロウ。
その理由にはロウの過去が関わっていました。かつて闇ギルド以外の友人がいたロウですが、秘術をバラしてしまったことにより、友人の中にあったロウの記憶を消去されてしまいます。
そのことがずっと心の傷となっていたロウ。「白銀の剣」と共にいたいと思っていたからこそ、全てを秘密にしていたというわけです。今回の最終決戦ではその全てを振り払い、ジェイドたちと本当の意味で共闘しました!
信頼していた仲間が実力を隠しており、その裏の顔は殺し屋だった。この事実を知っても失望しなかったジェイドたちの絆には感動しましたね……まあ倫理的にどうなのという気もしましたが笑。
そして、本当に感動したのはここからです。闇ギルドの禁術を使ってしまったことで、アリナたちは長老から記憶を消され、ロウは殺されそうになります。もちろんジェイドとルルリは反対しますが…
「つまりそこのじじいを倒さないと、ロウが殺されるってこと?」「なら倒す」
アリナもまったく迷わず、ロウのために戦うことを選びます。これまでの物語を経て、ロウも守りたい対象になっていたことがよく分かります!
まあ闇ギルドマスターの態度はブラフで、今回の件の裏にいる人物の調査をさせようと思っていたのですが…。最初の頃のアリナから考えると、ずいぶん変わったなと思います。
今回のアリナとジェイド
そして、大きく変わっているのはアリナとジェイドの雰囲気も同様です。例によって残業をしているアリナですが、毎日のようにジェイドが手伝ってくれています。
とは言えもちろん毎日手伝えるわけではなく、たまには一人ぼっちで残業する日も(泣)。そして、なんとジェイドがいなくて寂しがっています!

「貴重な戦力がいないから」みたいなことを考えて自分を誤魔化そうとしていましたが、完全にジェイド不在ってこと自体が原因でしょ
そしてこの態度の変化はラスボス中にも発揮されます。召喚獣によってアリナのスキルが使えなくなり、流石にこれは全滅かという場面がありました。アリナの”処刑人”としての強さはスキルによるものだったので、スキルが使えないアリナはただの(残業に追われる)受付嬢です。
それでも、、、
「勝てるから戦うんじゃない。最強のスキルがあるから戦うのも違う。アリナは今までもずっと、なにも失わないために戦ってきた。」
スキルを失った状態でもジェイドの前に立ち、守ろうとします。逆にジェイドに守り返されましたが、本当にアリナの様子が変わってきていることを感じます!
今後、アリナとジェイドの複合スキルを使う日も来そうです。
なんて思ってたら、まだ終わりではありませんでした。今回のボスにとどめを刺すシーンでは、なんと「ジェイドが鍛えているのは私のためだ」という謎の惚気を言いつつ最後の一撃を放ちます笑。
どういう状況やねんと思いますが、至ってシリアスなシーンではあるので誤解なきよう。
エピローグではジェイドのお見舞いにも来ていますし、ツンデレのデレ要素が順調に増えている様子を感じます!もう付き合っちゃえよ!
今後への伏線
さて、最後に今後への導入についてです。
先ほども書いた後輩、ライラが魔神であることなんかは一番重要そうですね。魔神になるためには人間に核を埋め込む必要があり、適切な方法で核を埋め込むと意識を乗っ取られないようです。
おそらくライラが普通にしているのもそれが理由だと思いますが、一体どういう存在なのでしょうか??
まあそれは追々分かると思いますが、今回のラストシーンでは、全く別の新情報も登場しました。
アリナにとって父親代わりのような人である、冒険者シュラウド。ダンジョンで命を落とした彼ですが、どうやら『大賢者』という人物だったようです。
身分を捨てて田舎に隠れていたようですが、それほどの人物が雑魚に殺されることあり得るのか?
急展開すぎて驚きですが、この辺の内容を考えた上でストーリーを書いているとしたらかなりすごいです。
ここまでの流れはルルリやロウ、ギルドマスターのような味方サイドにフォーカスを当てた話だったので(リゼロで言ったらアニメ2期までのような)、ここからストーリーが加速していくことに期待したいです!
ジェイドとアリナのラブコメも進展して欲しいですが、個人的には「白銀の剣」とアリナの4人でデカいダンジョンを踏破したり長めの旅に出たりと言った、尺が長めの話が来て欲しい気もします。
『ギルます4』まとめ
今回はロウという味方キャラが隠していた秘密にフォーカスが当たった回でしたが、印象に残ったのはこの世界の残酷さでした。魔神化しているとは言え、今回のアリナは闇ギルドメンバー2人を殺していそうですし、闘技大会の審判も闇ギルドのやつに殺されてしまいました。
さらにロウの裏の顔は殺し屋……。方向性自体はあの『このすば』と似ていると思いますが、世界観とか展開は冷静に考えると残酷な雰囲気です。

ちなみに批判しているわけではなく、行き過ぎたご都合主義ではないのが逆に好印象です
あと、今回の討議大会は途中で崩壊してしまいましたが、それも王道で良かったと思います。
『ハ◯ー・ポ◯ターと炎のゴブレット』にもありますし、大会が敵のせいで破壊される展開は王道かつ熱い気がしました。それではまた次回!
