その悲しみもかえでさんが咲太君にくれた大切なものなんですから。
みなさん、こんにちは。今回は青春ブタ野郎シリーズ最大の山場、の序章となる山場です。(結局山場なんかい。)
今回のタイトルは「青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない」です。
この通り、妹のかえでがメインキャラとなって物語が大きく動き出します。
今回はなかなか衝撃的な部分があるのでネタバレ注意な内容ですね。かえでの秘密に迫り、咲太とかえでの過去が明かされます。
咲太の進路が決定!後には退けない…。
まあ、まずは軽いジャブってことで咲太と麻衣さんの数年後の計画についてですね。ずばり咲太は大学を目指します。横浜にある公立のどちらか、つまり横国か横浜市立ですね。
横国と言えば〜、ピースの角(以下略)
すると麻衣さんは大学に行くのを一年待つと言い出す。咲太に不合格という道はない…。
さらにはのどかも同じ大学に行く!と言いますが、咲太に、麻衣さんと同じ大学に行きたいだけだろ、と言われてしまいます。
いやそれあんたもでしょ!って感じですが、「麻衣さんとの将来を考えた結果、こうなったんだよ」と言う咲太。流石っす笑。
おるすばん妹を脱する!
外に出ようとするかえで
それでは今回のメインキャラ、妹のかえでについてです!
10月の中旬、かえでは咲太に今年の目標を発表します。どれも今までの自分から変わろうとするものばかりで、密かに感動する咲太(と読者)。
そして最大の目標は、学校に通うことです。虐めに思春期症候群、親との断絶を経たかえでのクエストが今、始まる。
咲太はきっと困難が待ち受けているだろうと考えますが、同時に立ち向かう気持ちはとっくの昔に決めていたようです。
このシーン、本当に主人公やな。普段のブタ野郎っぽさからは想像もつきません。
翔子さんの名言は最高。神。女神。
そして、ここで入る回想シーン。登場するのはもちろん咲太と翔子さんで、どうやら最後に会った日の会話のようです。あらゆる小説、漫画、アニメ等の中で一番好きなキャラがこの牧之原翔子さんなのですが、この台詞で一気に好きになりましたね。
「わたしはね、咲太君。人生って、やさしくなるためにあるんだと思っています」
「やさしさにたどり着くために、わたしは今日を生きています」
「昨日のわたしより、今日のわたしがちょっとだけやさしい人間であればいいなと思いながら生きています」
はいはいはい、これですよこれ。これなんだよなー。
覚めない夢の続きを見ている
小説のタイトルが「夢を見ない」なだけに、この章タイトルを見ただけで重要だと分かりますね。実際重要で、ここからはかえでに関するネタバレを含みます!ご注意を!
思春期症候群は、終わっていない
一歩も外に出たことのなかったかえで、それでも一度玄関の外に出てからはどんどん行動範囲が広がって行きます。ですが、同時に体には痣が…。やっぱり思春期症候群は根本的に解決していなかった…。
思春期症候群にも負けず頑張るかえでは、咲太と麻衣さん、のどかと共に七里ヶ浜に遊びに行きます。もちろん江ノ電に乗って、です。人の目に対して反応するかえでですが、無事に海に行くことができました、良かった…。
存分に楽しんだかえででしたが、なんと中学時代の同級生にして小さい頃に仲の良かった子に会ってしまいます。まあ、元は仲の良かった子ですし、そんなに構えることもなさそうですが。
そんなかえでの反応は、、、相手のことを知らない…?
ネタバレ注意!かえでの秘密
ずばり、かえでには記憶がありません。と言うか、解離性障害によって過去とは人格が変わっていると言う驚きの事実が明らかになります。これは最初に読んだ時鳥肌が立ちましたよ…。
確かにかえでと咲太のやり取りは兄妹とは少し違ったかもですが、
4巻まででは一切言及されていなかったので、いつの間にか違和感はなくなっていました…。
しかし、麻衣さんは違和感を覚えていたようです。それは麻衣さんは最初に家に来た時。
かえでの反応(無反応)に違和感を覚えていましたが、咲太はあんまテレビ見ないからと言って誤魔化しています。
まさかの1巻に伏線ですよ!しかも割とさらっと!これにも別の意味で鳥肌です。
かえでは倒れてしまい、さらには記憶(って言うか人格)が元に戻りそうな兆候まで現れます。これはどうなるのか?と思いましたね。
立てた目標をほぼ全て達成!
その後も外に出るための戦いを続けるかえで。ある日は咲太と共に、上野動物園にパンダを見に行きます。その帰りには(夜間ではありますが)学校にも行くことができ、咲太に見せた目標を全て達成することが出来ました。
達成感と共に今度は昼の学校に行きたいと言い、さらには明日が楽しみ、という前向きなことを言うかえで。こちらまでぐっと来ましたね。
お昼の学校に行ったあたりで5巻は終わりかな?
そう思っていた時期が僕にもありました。
次の日・そして牧之原翔子登場
そしてその「明日」。おるすばん妹は、「おはよー、お兄ちゃん」と言います。一気に咲太を襲う違和感。それは決して勘違いなどではなく…。11月も終わりを迎える頃、かえでは去り、花楓が戻って来ました。
おるすばん妹の夢はもう見ない。
花楓は病院へ行き、そこには父親もやって来ます。感動の再会の場面のはずですが…。覚悟を決めていたはずの咲太でしたが、この状況を受け止めきれず病院の外へ。まるで心の傷が体に現れるかのように、胸の傷がまた開いてしまいます。
そう言えば咲太の思春期症候群も終わっていないんですよね…。シリーズ始まって以来の危機を咲太が襲いますが、そんな時に現れるのはもちろんこの人。
「わたしが来たから、もうだいじょうぶです。」
翔子ちゃんではない、咲太の初恋の相手、翔子さんです!呆然とした状態のまま家に戻った咲太。お風呂の中で、感情を吐き出します。ここでこの記事の冒頭の一言、「その悲しみもかえでさんが咲太君にくれた大切なものなんですから。」が登場します!
このシーンはあれですね。咲太は風呂場にいて相手と話すイメージがありましたが、今回は逆というのがなんとも言えずグッと来ます。
回想シーンで「僕も翔子さんみたいに生きていいかな」と聞くシーンがありましたが、まさにその通りに生きて来たということが分かります!
さあ、修羅場だ
どうにか復活した咲太ですが、何日か経っても翔子さんは咲太家から立ち去る気配はありません笑。新婚の夫婦かな?って感じです。僕としてはずっといて欲しいですが(笑)、咲太には麻衣さんがいますからね…。
なんてことを思っていたら麻衣さんが予定より早く撮影から帰って来ます。家のインターフォンに出たのは翔子さん。時は12月1日、さあ、修羅場だ。
今までは次が気になる要素がちょろっと出て来ただけでしたが、今回はこれまでと異なり、ダイレクトに話が繋がって行きますね。
「夢見る少女」と「ハツコイ少女」。シリーズ第一のクライマックスです。