吸血鬼スカーレットの、感動の物語!
みなさんこんにちは。今回は『探偵はもう、死んでいる。』9巻です!
この表紙を見た瞬間、ついに結婚か……と思いましたが、君塚とシエスタが結婚する話ではありません笑。
9巻では吸血鬼スカーレットの話がメインとなり、意外にも感動する結末となります。スカーレットが世界の敵になることは以前から語られていましたが、最終的にどうなるのか?!
時系列としては君塚たちが高校を卒業した直後くらいの話で、例によって回想となります。
吸血鬼の話がメインとなりつつも、相変わらず同時進行で複数の物語が描かれます。一見無関係な内容がつながることも……?
数年後の未来から過去を回想するという展開が非常に面白い、たんもしシリーズ9巻です。後半はネタバレ注意!
あらすじとネタバレなしの感想
無事に高校を卒業した君塚。夏凪以外に友達はいないが、その夏凪が第二ボタンをもらってくれる。
しかし青春は続かず、都市伝説『日傘の魔女』や吸血鬼、街に現れるミイラなど、戦いの日々に放り込まれることとなる。
シエスタが眠り続ける中、探偵と助手は裏側の世界により一層関わっていく……。
はい、というわけで今回は(今回も)様々な事件が同時に発生し、それが絡まっていくような展開となります。
まだ10代であるにも関わらず世界の裏側に近付く君塚と夏凪はすごいですね本当。
しかも夏凪はいつの間にか学校生活を満喫していたようで、君塚から「スピンオフでもやっていたのか」と言われます。
まあ実際やってるんだよな……。
思えば君塚たちはずっと学生のはずですが、学校の描写がほぼないですね笑。
何なら1巻の最初が一番学生っぽかったかも。
それではここからはより具体的な内容に入っていきます!
『日傘の魔女』マーリー
高校を卒業する頃、巷では『日傘の魔女』に関する都市伝説が流れていました。
と思ったら早速出会ってしまう君塚と夏凪。しかし『日傘の魔女』は決して怪物などではなく、マーリーという記憶喪失の美人でした。
自らの故郷を探して欲しいというマーリーの依頼を引き受けた夏凪。
なんと前回活躍したリローデッドの故郷近くに似た村があり、君塚は早速北欧の村に向かうことになります!
話がサクサク進むテンポの良さは『たんもし』を読んでいることを実感します。
マーリーの故郷と吸血鬼
君塚と2人でいる時のリローデッドがやけに可愛かったという話はさておき、マーリーの故郷を探す君塚。
しかし、その村は既に荒廃しており、年を取った吸血鬼しかいませんでした。
いや、いきなり吸血鬼登場かい!
このシーンを読めば、「身体能力は普通の人間と変わらない少年が、よくこの状況で冷静やな……」と思うこと間違いなしです。
あと射撃がのび太並みに上手いのも、これまで潜ってきた修羅場を感じさせます!
アイドル斎川唯とマーリーを結びつける歌
今回はアイドルの斎川唯もかなり活躍します。
完璧で究極のアイドルを目指す斎川は、歌がめちゃくちゃ上手いマーリーと意気投合し、かなり仲良くなります。
このシーンを読んでいる時に思いましたが、いずれ斎川が《アイドル》の調律者になることもあるのでしょうか?
吸血鬼の王スカーレットとの共闘
さらに9巻の前半では謎のミイラも登場します。
何が何やらって感じですが、スカーレットの話によって吸血鬼の女王エリザベートが人を殺して作っていることが分かります。
たんもしって話の雰囲気の割に命が軽いんだよね……
さて、夏凪や斎川の提案によって共闘することにした《名探偵》と《吸血鬼》。
確かスカーレットは世界の敵になるはずですが、、、正直この時点ではスカーレットが世界の敵となる雰囲気はそこまで感じないですね。
第一のクライマックス、王と女王の頂上決戦
たんもし9巻第一のクライマックスは、吸血鬼の王スカーレットと女王エリザベートの対決となります。
例によって武力がほぼない中で吸血鬼と対峙する君塚&夏凪すごい……と思っていたら、夏凪には言霊の力がありました。
圧倒的な力の差がある中、相手の動きを止める夏凪。自らを言霊で操作して剣を振るうことも出来たはずですし、意外と攻撃力高めです。
夏凪渚が命じる……。
しかしミイラ軍団にはギアスが効かず、万事休すかと思ったら、、
「よく粘った、人間ども」
と言ってスカーレットが登場します。今度は鬼滅の刃が始まったかと思ったぜ。
そして吸血鬼同士の戦いでは、FF7が始まりました。
片方の翼だけ出したスカーレットが「片翼の天使」のBGMを流しながら(大嘘)、吸血鬼の女王を撃破します!
しかし、、、連邦政府はスカーレットを世界の敵に認定し、なんとスカーレットは眠っているシエスタを連れて飛び去ってしまいます。
スカーレットが片方の翼しか使っていなかったのはセフィロスを真似ていたのではなく、シエスタを庇っていたからでした……。
シエスタ奪還のため世界の深部へ近付く探偵たち
シエスタを奪還するため、調律者の1人であるブルーノや、連邦政府高官に会う君塚と夏凪。
夏凪が順調に世界の深部(もしくは暗部)に近付いてしまっています……。
連邦政府との話で、スカーレットは“花嫁”を守るために同胞殺しを続けていたことを知ります。
スカーレットはシエスタのことを花嫁と呼んでいたがおそらく違うはず。君塚と夏凪は1つの結論に至り……。
吸血鬼の城での決戦
この決戦が表紙のシーンとなります!
スカーレットの城「不夜城」へ潜入してきた君塚は、
「その結婚、ちょっと待った」
と言い放ちます。今度は急に昼ドラが始まってしまったーーー!
スカーレット VS 君塚
昼ドラは一瞬で終了し、スカーレットの口から以下のような事実が明らかになります。
この情報を冥土の土産に君塚は殺されそうになりますが、ギリギリのタイミングで、夏凪が連れた幼なじみがやって来ます!
本当の、天空の花嫁は……
その幼なじみはなんと(と言うか普通に?)『日傘の魔女』マーリーでした。
記憶を取り戻したマーリーとスカーレットが再開し、君塚はどうにか一命を取り留めました…!
スカーレットとマーリー(かつての名前はジャンヌ)の過去については章の間の回想シーンで語られ、その中にはいくつかの伏線が散りばめられています。
過去と未来の話の関連が非常に面白かったため、これはぜひ読んで確かめて頂きたいです!
いい感じに空気感になったところで、空気を読まない連邦政府がスカーレットへの攻撃を再開、君塚と夏凪は脱出します。
一方で寿命がほぼ残されていないスカーレットとマーリーは城に残り、言葉を交わします。
ここは本当に感動しました。
まさか「たんもし」で、君塚やシエスタ、夏凪意外で感動するとは……。
前回8巻ではリローデッドの人気が急上昇した感じでしたが、今回でスカーレットの人気も上昇したことでしょう!
『たんもし』9巻・感想まとめ
今回は、とにかくスカーレットとマーリーの最期が感動的でした。
スカーレットが世界の敵となったことについても連邦政府が認定したからという側面を持つため、誰が敵で誰が味方か、今後も分からなくなりそうです。
誰が敵で誰が味方か分からない、とか言った直後ですが、《怪盗》アルセーヌは敵で間違いないでしょう。
8巻で戦った魔人もアルセーヌが生み出した可能性がある上、アルセーヌの能力を使って人々の記憶を盗むこともできたはずです。
9巻でもちょこちょこ話に出て来たアルセーヌは今後の戦いで鍵になることでしょう!
それではまた次回、次は節目の?10巻です!