『あした、裸足でこい。』完結。 まさかの伏線と怒涛の展開!

みなさんこんにちは。今回は『あした、裸足でこい。5』シリーズ最終巻です。苦労の末、ついに二斗の運命を変えた巡でしたが、未来で待っていた二斗から聞かされた運命は……。
今度は親友の真琴を救うため、再び過去へと戻る巡。二斗も救った上で真琴も救う、はだこいシリーズクライマックスです!未読の方はネタバレ注意!
あらすじとネタバレなしの感想
無事に二斗を救って未来に戻ってきた巡だったが、真琴の悲劇について聞かされる。
両親の実家と家庭の不和、それに起因した無理心中。これまでよりも大きく深刻さを増した事態に、巡はどう立ち向かうのか……。
約1年間積み重ねて来た高校生活を実感する、はだこいのフィナーレ!
さあ今回はこれですよ。最後にして最大の危機に立ち向かうことになります。これまでのタイムリープは状況が改善する一方であり、そもそも最初から人が死亡するような展開はありませんでした(一番最初は二斗の失踪がありましたが…)。
しかし、順調に過去と未来を変えてきた巡に立ちはだかったのが、後輩であり親友である真琴の死です。もはや運命を変えた代償かと思ってしまいます……
全員を救い、さらには真琴を救うこともできるのか。『はだこい』最終巻です!
巡と二斗がついに協力する熱い展開!だが…
再び過去に戻った巡は二斗に事情を話し、協力して真琴の運命を変えます。これまでは巡が行動を起こして二斗を救うという展開が中心でした。しかし今回は巡と二斗が協力するという熱い流れです!
真琴死亡の原因は、真琴が天沼高校に入らなかったこと、そして巡と二斗が付き合っていたこと。
恋愛はともかく、巡たちはまず真琴を天沼高校に入学させようと考えます。しかしその道は簡単ではなく、完全に拒絶されてしまいます。
熱い展開になって来たと思いましたが……巡と二斗が力を合わせたとは言え、そう簡単に解決はしません。
さらに熱く、4人全員がタイムリープ!
行き詰まった巡と二斗でしたが、今回は最終巻、どんどん進みます。今度は六曜先輩と五十嵐さんにもタイムリープを明かし、4人で過去に戻るというトンデモ展開になります。

2人にタイムリープについて話したシーンでは、謎の黒い影に心臓を掴まれて死に戻りするかと思いました……
なんと4人揃ってあの入学式の日に戻った巡たち。この展開は流石に予想外すぎますよ!?
まさかの、このシリーズの1巻から続いて来た物語をやり直す巡たち。タイムリープしたことで状況を悪化させることなく、一気に4巻くらいまで到達します。
今回は面接で告白もされず、二斗と真琴がギスることもありません。前回は2人がギスっているところを見て笑っていましたが、全く笑い事ではありませんでしたね…。
ここまで上手く状況を改善したものの、、、やはり上手くはいきませんでした。今回の世界線においては前回は発見できなかった新小惑星らしきものを複数発見、とんでもなく上手くいっていたのですが……。
真琴は非常に鋭く、巡と二斗の関係を隠し通すことはできなさそうです。
第一話と最終話がループ!?
全てを振り出しに戻すような、一周回った解決策は、、、
4人で過去に戻りましたが、今度も真琴の運命を変えられなかった巡たち。ここで一旦これまでの巡の戦いについて振り返ってみましょう。
- オリジナルの高校生活
二斗とは恋人関係になったものの、順調に駆け上がっていく二斗との関係は疎遠になり自然消滅。真琴は同じ高校の後輩となり、特に何もない3年間を過ごす。
卒業式当日に二斗は遺書らしきものを残して失踪。 - ラベル2回目の高校1年生
全てが始まった4月にタイムスリップした巡は五十嵐さんと六曜先輩という仲間を加えて天文部を始動。何回か元の世界線に戻り、未来が書き替わっていることを確認する。全てが順調に進み、とうとう二斗や仲間たちを救うことに成功する。しかし、その代償に真琴が命を落としてしまう。ここまでに1年。
- ラベル3回目の高校1年生
その後天文部の4人で入学式時点まで戻り、全てを0からやり直すが、結果は変わらなかった。さらに1年。
つまり1巻冒頭のシーンから巡の体感では2年が経過していることになります。まあ二斗は何倍もループしていそうですが…。
この2年間で大きく成長した巡は、天文部4人でのループ後に1つの案を思い付きます。
しかし、その前に一週間の休みを取ろうと提案します。1年間のループというとんでもない経験をした直後ですからね……
最後の日常パート
ここからは巡と天文部メンバーの最後の日常パートが描かれます。シリアスな展開から始まった5巻では日常パートがないかと思いましたが、最後の最後に来ました!
二斗とはディ◯ニー、六曜先輩とはラーメン、五十嵐さんとは天体観測用の機器を買いに行きます。二斗とのディズニーはイラストも最高で順当に面白く、六曜先輩からは巡のおかげで変わることができたと言われます。
この2人との話ももちろん良かったのですが、個人的に印象に残ったのは五十嵐さんです。巡がどのような選択をしてもそれを認めると言い、味方になる発言をしてくれます。
めちゃくちゃ鋭いしオーラがある、本当に良いキャラだと感じました。
最初は厳しいギャルっぽい雰囲気があった五十嵐さんですが、実際はオタクに優しいギャルでした!(?)
僅か5巻という有名シリーズに比べると短い巻数であってもキャラの深掘りがされおり、この作品の魅力を感じました!
導き出した解決策
最後の日常パートが終わる時、本当のクライマックスが始まります……。巡が思い付いた無茶苦茶な解決策、それは全てを元に戻すことでした。巡が経験したオリジナルの世界線では、天文部4人が散々な目にあった代わりに真琴は同じ高校に入学、無事に高2の終わりを迎えていました。
しかし、流石にこのシーンには当然の疑問が湧きました。
その世界線だと二斗は失踪、五十嵐さん&六曜先輩との関係も0では?
そもそもの二斗を救うという目的からかけ離れているのではないか?
しかし巡は二斗がどこにいるか見当がついていると言い、2年間の戦いを経て自信を見せます。さらに、これまでの経験から六曜先輩と五十嵐さんとの関係もやり直せると言う巡。全てが無に帰すような案ですが、とうとう時間移動から抜け出し、”あした”へと歩いて行きます!
終わりと始まりの卒業式
1巻と同じ場面に戻って来た巡。最初のシーンと同じように、隣には元気な真琴の姿がありました。肝心の二斗についても校内の”とある場所”に隠れていた姿を発見、全く新しい”あした”が始まります!
巡は浪人生、五十嵐さんと六曜先輩とは知り合ってすらいないという状況は1巻と同じですが、もう巡は真琴も含めた4人のことをよく知っています。周りの状況ではなく、自分自身の気持ちが大切というメッセージではないかと思いました。
正直若干の東◯ベを感じなくもなかったですが、よく読むとこの展開の伏線は最初からありました。
『あした、裸足でこい。』完結!
というわけで早くも完結してしまった『あした、裸足でこい。』、通称”はだこい”でした!
正直ここ最近はラノベから離れてしまっており、数年前ほどは読めなくなっています。しかし、この作品については是非伝えたいと思い、書きかけだった感想を半年ぶりに書き直して投稿しました。
アニメ化されるような有名作ではありませんが、だからこそ少しでも多くの人の目に触れてほしいと思います。
「元はダメダメだった主人公がタイムリープしてやり直す」というよくあるストーリーではあるものの、最終的な結論が”タイムリープしない”ことだった点や、その伏線がきちんと1巻に存在する点、キャラクターの良さ、Hiten先生のイラストによって独自の魅力があります。
最初は1巻の表紙に惹かれて読み始めた本作ですが、僅か5巻で大きな印象を残していきました!
5巻で完結していることでむしろ多くの方にもお勧めしやすい作品です。もし少しでも興味を持っていただけましたら、ぜひ手に取ってみてください!
